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糖尿病ってどんな病気(シリーズ第一弾)
「糖尿病シリーズ第一弾」

三大成人病の一つである糖尿病について、3回に分けて掲載します。


第一回:糖尿病を簡単解説(意外と知られていない糖尿病)
第二回:糖尿病治療(何故目標値があるの?)
第三回:国内インスリン製剤の工場ってどんなところ?

 糖尿病は、糖代謝の異常によって起こるとされ、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高まることによって起こる病気です。血液内のブドウ糖量がある一定量以上になると、ブドウ糖は尿中に漏出し尿が甘くなります(尿糖)。昔、外で排尿をすると、そこにアリが集まってくるという話を聞いたことがあります。もしかすると、それは糖尿病かもしれませんね。

 糖尿病は、大きく分けると1型糖尿病と2型糖尿病に分けられます。1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)は、自己免疫の異常が重要な要因の一つと考えられていますが、詳細についてはまだ解明できていないところが沢山あります。一方2型糖尿病は、「インスリン非依存型糖尿病」ともいい、インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とするものです。
 
 欧米人は感受性低下(インスリンは出ているけど、上手く働かない状態)、日本人は膵臓のインスリン分泌能低下が重要な原因であると言われています。遺伝的因子と生活習慣がからみあって発症する生活習慣病であり、インスリン分泌能低下による糖尿病が全体の9割を占めると言われています。日本人は、インスリン分泌が悪い体質です。従って、欧米人と比べると、日本人は少し太っただけで糖尿病になる要素を持っているのです。

 遺伝的因子の特徴的な例を一つあげると、お相撲さんの半分は糖尿病であると言われています。しかし、逆に言うと、半分は太っていても糖尿病ではないのです。つまり、先にも書いたように、生活習慣だけではなく、遺伝的因子もこの病気には大きくかかわってくることになります。
 さらに、ある研究で、両親が糖尿病でない子供が糖尿病になる割合は、約6%(17人に1人)、片方の親が糖尿病である場合、約17%(6人に1人)。両親ともに糖尿病である場合、25%(4人に1人)といわれています。これを見ても、遺伝的要因が大きい感じがしますね。

 さて、ここからはインスリンについてお話します。
インスリン(insulin)は、膵臓にある(膵島)のβ細胞から分泌されるペプチドホルモンの一種です。体の中で血糖を下げる唯一のホルモンです。インスリンは、血液の中のブドウ糖を利用するのに絶対必要なものです。

インスリンとブドウ糖は1:1の割合で働いています。正常であれば、インスリンが100:ブドウ糖100で、上手く糖をエネルギーとして利用できます。しかし、インスリンの分泌量が減り、仮に50になったとします。ブドウ糖は変わらず100だとすると、利用できないブドウ糖が50生じます。この利用できないブドウ糖50が血液中に残り、高血糖状態を作ります。これが糖尿病です。また、正常な状態でインスリンが100出ていたとしても、暴飲暴食でブドウ糖が150になれば、やはり利用されないブドウ糖が50血中に残り、高血糖となります。
では、インスリンの分泌量が減るとすぐに糖尿病になるのか?というと、そうではありません。
 インスリンの分泌量が約50%にまで減るとそこで初めて血糖値があがってきます。逆に言うと、50%まで分泌能が低下しないと血糖値はあがらないということです。少し、余力があるということです。
 Grand Tower Medical Couの伊藤千賀子先生(日本糖尿病学会:理事)の研究では、糖尿病と診断される14年前からインスリン分泌能力は落ち始めているといわれています。糖尿病はそのインスリン分泌能力が年間4%ずつ低下していく進行性の病気なのです。

 最後に、糖尿病が増えた理由の一つ、食事の変化についてお話します。
食事の中の何が変わったのでしょうか?
それは、食事の中に含まれる脂肪の量です。昭和30年代7%であった食事の中の脂肪量が、2004年には24.5%になったのです。食生活が欧米化したせいではないでしょうか。
インスリン分泌能力がもともと高い人種の食事を、もともと分泌能力が低い日本人が取れば当然良くない訳です。
 食生活も変化しましたが、糖尿病の増加と自動車の普及率とは同じような増加曲線を描いています。これは、単なる偶然でしょうか?
 「食事」、「運動」が糖尿病予防には、とても重要な気がしますね。

次回は、糖尿病の治療について、何故、目標値があるのかを合わせて簡単に説明したいと思います。